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「SSSS.GRIDMAN」の商品展開が加速 「メガホビEXPO」と「ワンホビギャラリー」に見るフィギュアトレンド

2月と7月に開催される「ワンダーフェスティバル」は、当日版権フィギュアの展示即売に加えて、各フィギュアメーカーの新作発表の場となっています。  この「ワンフェス」以外の新作フィギュアの発表の場というと、問屋さんの展示会やプライズフェアなどがありますが、それは一般には未公開。一般向けにオープンになっている大きな展示会というと、5月と11月、ちょうど「ワンフェス」の合間になる形で開催されている「メガホビEXPO」があります。これはメガハウスを中心にして、アルター、コトブキヤ、アニプレックスなど複数のメーカーが参加する展示会で、もう10年近く定期的に開催されているのです。さらにこの春からは、グッドスマイルカンパニーが同時に開催するようになりました。こちらではグッドスマイルカンパニー、マックスファクトリー、Phat!、FREEingなどの新作フィギュアの発表&展示が行われています。  この秋の「メガホビEXPO」は11月24日、「ワンホビギャラリー」は11月24、25日に秋葉原のイベントスペースで開催されましたが、主立ったメーカーのフィギュアがずらりと並び、フィギュアの最新状況を見ることが出来るイベントとなっていました。その中から、いくつかトピックをピックアップして最新のフィギュアトレンドを確認してみましょう。

【氷川教授の「アニメに歴史あり」】第6回 ボディを彩る光のライン

秋の新番組「SSSS.GRIDMAN」に注目している。円谷プロダクションが1993年に制作した特撮TVシリーズ「電光超人グリッドマン」をベースとしたTVアニメである。2015年にカラーとドワンゴの連作短編企画「日本アニメ(ーター)見本市」の第9話「電光超人グリッドマン boys invent great hero」としてTRIGGERがアニメ化。それをさらに発展させた新作である(両者とも雨宮哲監督)。「アニメと特撮の再融合」という点でも期待のタイトルなのだ。  まだネットコミュニケーションがパソコン通信しかない90年代前半、「グリッドマン」は実に先駆的な作品だった。内閉した心をもつ中学2年生の少年がハイパーワールドの魔王カーンデジファーと接触、怪獣を開発して電脳空間に解き放ち、怪事件を起こして世間を混乱させる。同級生のパソコングループに属する少年がハイパーエージェントと合体し、グリッドマンに変身して怪獣を倒すことで平和を取りもどす。コンピュータウイルスとワクチンソフトを、いち早くビジュアル化した仕立てなのだ。モーフィングやビデオエフェクトなどの新表現は、後に「ウルトラマンティガ」(96)にも継承されたのだった。  さて新作アニメでは、ヒーローのボディに目立つ「光るライン」が気になった。「ヱヴァンゲリヲン:序」(07)で初号機のラインが「グリーンの光」に再定義されたのを代表に、多くのアニメ作品で見られる表現である。デジタル撮影の選択範囲指定で「透過光」を入れやすくなったメリットの応用で、近年ではファンタジー的な武装含め、随所で見られるようになった。  さて、この表現のルーツは何だろうか。筆者が知る限りでは1982年のディズニー映画「トロン」が、全カット常時入った事例の最古である。初めて本格的にCGI(Computer Generated Image)を導入した劇場映画で、コンピュータ世界へ転送された主人公含め、電脳キャラクターのボディスーツに電子回路のプリントパターンを模したラインが入っている。これが全カット、ほんのりと光ることで目を引き、独特の世界観と雰囲気を高めていたのだ。3D空間を疾走するライトサイクルなどCGIで描かれた硬質な被写体とのマッチングも意図のうちだが、当時のメイキング映像ではアナログの「バックライト・アニメーション(透過光)」だと紹介されている。  実写で撮影された7万5000枚の35ミリの映画フィルムを30×50センチの写真フィルムに拡大し、役者のスーツに入ったラインをロトスコーピング技法でハンドトレスする。それをモノクロ、ハイコントラストの印刷製版用リスフィルムでネガとポジのマスク素材に転写し、アニメーション撮影台でセルアニメ同様の透過光(着色・拡散)で焼きつけたものなのだ。その証拠にエンディングには韓国の人名がズラリと並んでいる。まだフィルムレコーディング技術も確立していない時期のため、ディズニーが得意とする伝統的なアニメーション分野に持ちこんだというわけだ。  では自発光するヒーローとは、アニメーションだけのものだろうか? 実は特撮でも発光は非常に重視されてきた歴史がある。かつて初代の「ウルトラマン」(66)の時代は、「電気の光」そのものが街中で少なかったため、目が発光し、危険になるとカラータイマーが青点灯から赤点滅に変化する「機電」と呼ばれる仕掛けだけで興奮した。ならば「発光」は「電気」とイコールかと言えば、そうでもないことが分かってきている。  「ウルトラセブン」(67)は、ウルトラマンよりも戦闘的なヒーロー造形としてプロテクターをデザインに採り入れ、断続的なラインの凹みを入れた。そこにライトグリーンの素材が貼ってあるのが、高画質化ではっきり分かるようになった。これは細かいレンズ状の物質が敷き詰められ、光を当たった方向にまっすぐ戻す「スコッチライト」と呼ばれる特殊なテープだ。深夜の道路工事で車のヘッドライトを反射し、人の存在を示す目的で使われているので、街中で見かけることもあるだろう。カメラと同じ位置からセブンにスポットライトを当てることで、光学合成なしにラインの凹みを発光させようとしたものなのだ。セブン本編では明確にそれと分かる映像は見当たらないが、「ウルトラマン80」(80)第8話「よみがえった伝説」に登場する「光の巨人」は、まさにこの手法で撮影されたものだった。  「仮面ライダー」(71)にも「光るライン」の事例は早期から存在する。本郷猛の仮面ライダーに代わって第14話から登場した、一文字隼人の変身する2号ライダーから腕と脚に銀色のラインが入ったのだ。これはナイトシーンでライダーと怪人が格闘したとき、ライダースーツが黒くて闇に溶け込み、見えなくなったことの対策で、2号に交代しなくてもいずれラインは入ったとされている。  「ヒーローのボディラインを光で浮き立たせる」という表現には、こうした半世紀以上に及ぶ長い歴史の積みかさねが存在している。新番組「SSSS.GRIDMAN」は、そのさらなる最前線を、どう更新してくれるのだろうか。その点でも期待は高まる一方である。