




撮影ではコスプレイヤーの乾曜子さん&えなこさんに『RO』キャラの衣装を着てもらうという。
『RO』は正式サービス17年目の老舗タイトルで、乾曜子さんは初期からイメージガール“ラグナロ娘”を務めている。
今回のWebサイトのテーマは“先輩から後輩へ伝えたい思い”。『RO』運営チームとしては、ゲームの魅力をベテランから新規ユーザーに伝えていってほしいのだろう。その姿をふたりに重ね合わせている。乾先輩とえなこ後輩に。
一応説明しておくと、乾曜子さんはコスプレがきっかけでアイドルデビュー。自身もタレント活動を続けながら、社長として後進の育成に励んでいる。純粋にすごいと思う。
えなこさんみたいな逸材をマネジメントしてるんだから、後輩育成の必殺技があると思うのだ。ありますよね。



「根性がある子がなかなかいない」、「受け身な人は多いかも」。最初に出てきた問題は、ゲーム業界でもよく聞く話だった。
要するに、“ただゲームがうまい(好き)”だけではプロゲーマーもライターもやっていけないのだ。この辺は芸能界も同じ。“かわいい”だけで売れるのは難しく、何が求められているか自分で考える必要がある。
ゲーム業界も芸能界も、“人”が財産という点は共通している。根源的な悩みも同じなのかもしれない。

ユースケうかつなひと言で炎上するって、ゲーム業界でもたまに聞きますね。
暴言を吐かないとか、つい言ってしまったら反省してつぎから言わないようにするとか、当たり前のことだと思うんです。
「プロゲーマーと言っても社会人1年生みたいなものだから仕方ない」みたいな声もありますけど、それって業界の先輩じゃなくて子どもの頃に保護者から教わることなんじゃないかなあ。
いぬいほんと、それ……! だから両親とも面談したほうがいいのかなって感じるんです。
学校の教育も変わってきてるといいますし。モンスターペアレントのおかげで叱りにくいなんて話もありますよね。
ユースケあー、影響あるかもです。昔といまは違うから仕方ないで終わらずに、対応していかないとまずい。

ベテランが新人を育成すればゲームが楽しくなる
ユースケゲームも同じですよね。ベテラン勢たちが若いユーザーに教えたりいっしょに遊ぶのが大切なんだよなーと思います。新規のユーザーが定着すればベテラン側も楽しいはずなので。
いぬい『RO』には昔から後輩を育てる文化がありましたよね。私も最初にギルドの人たちから教わらなかったら、こんなにハマれなかったと思います。
わからないことをひとつひとつ教えてくれたり、経験値を稼ぐのに壁になってくれたり。楽しくて、この人といっしょにいたいと思うようになる。
『RO』はゲームだけど、ひとつの社会。いい人は実際多いと思う。
ユースケよくない人って声が大きいから目立っちゃうけど、長く続いているゲームはいい人の比率が高い気がします。
いぬい悪役をやってるような人たちも、話してみるとおもしろい人だったり。仕様の中できちんと遊んでいるわけじゃないですか。その悪役をみんなで倒すぞーって盛り上がるのもおもしろいですよ。
ユースケルールの中でのロールプレイ。そういうところまで含めて新人さんに伝えていくのが理想的ですね。
と、ガンホーさんの手前、『RO』の話を強引にねじ込みました。

義理人情がちゃんと備わっている人がいい
ユースケでもですね、育成はコストがかかるじゃないですか。リアルにしてもゲームにしても、新人を育てたのに「やっぱり辞めます」がいちばん怖い。
いぬいびっくりするくらいたいへんですよね! 会社員もそう。新人が入ってきて育成したのにすぐ辞めちゃうみたいな話もよく聞きますし。
ユースケあるあるですね。合わないと感じたら辞めるのも権利だとは思いますけど。
自分が育てられてるときは気にしなかったけど、先輩側に回ったらもうたいへん。時間もお金もかかる。だからと言って先輩世代が(後進の育成を)やらなくていいわけじゃない。
いぬい自分たちと近しい感覚を持ってる人がいたらラッキーですよ。そうじゃなかったら、適材適所を考えたり。
ゲームライターの業界は厳しいですか? 新しい子は入ってきます?
ユースケいないこともないんでしょうけど、ゲームが好きなだけだと厳しいかなー。
ゲームの魅力を伝えるにはどうするべきか。そのために文章を練習しよう、本を読もう、ゲーム以外の世界にも触れてみよう。自分で考えるようになったら勝手に育つと思うんですよ。それも自己プロデュースみたいなもので。
僕は人をそういう方向に誘導するのが下手みたいなんです。

いぬい私もいまの子に合わせて(育成を)やりたいですけど、がっかりしたくないから、億劫になることはあります。
労力をかけてタレントとして最初のステップが終わったところで「フリーになります」なんて言われたら怖いですもん。うちだけじゃないと思いますけど。
ユースケわー、ありそう。僕も似たようなことありますね。この子は見込みあると思って仕事を振ってたら「就職が決まりました」みたいな。
いぬいうんうんうん、それなんです! その気持ち!
ユースケご飯を食べていくことが大事なので悪いことじゃないんです。お祝いしたいくらい。でもね、就職先が競合他社だったりすると、なかなか飲み込めないですよ。ほほー、そう来ますかー。
いぬい切ない! どの世界もいっしょですね。その人はそのままのほほんと生活していくのかな。そう考えると、義理人情がちゃんとしてる子がいいかも。
ユースケそうですね。義理に縛られることはないけど、相手のことも自然に考えられる人だとありがたい。

個人的に、タレントもプロゲーマーもゲームライターも自分勝手でいいとは思う。とはいえ、義理人情に欠いた行動がいつか自分の首を絞める可能性もある。
先々を見据えたうえで、何が自分にいちばんメリットがあるか考えたら、うかつな行動は取れないはずなのだけど。
いぬいどこの業界でも、きっと後進育成の悩みはありますよね。ユースケさんも同じタイプなのかなと思いますけど、私は義理人情を大事にしたいんです。古いタイプの人間なんですかね。
(後進を育成したい人は)トライ&エラーをくり返して、くじけることもあるかもしれないけど、そういうものだと思って、傷つき過ぎないようにがんばってほしい。私は傷つきたくないからやりたくないんですけど。
ユースケ僕ら繊細ですもんね。
いぬいやっぱり育てようと思わなければ育たないんですよ。もうね、数撃ちゃ当たる。ハートを強くしましょう。やらないとゼロは1にならないんですから。

僕のメガネを持ってもらって記念撮影。
芸能界で人の育成を生業にするような人でも、僕と似た悩みを抱えていた。
必殺技は教えてもらえなかったが、僕らのやりかたが間違っていなかったようで、少しうれしい。
ポイントは3つ。
自己プロデュース能力を高める
コストはかかるけど辛抱強く
義理人情は大切にしたい
そして最大のコツはこれ。
ハートを強くする! くじけない!
これらを胸に、ゲーム業界におけるえなこさんのような逸材に出会う日を心待ちにしようと思う。