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【まなおのアニメ感想戦!】第5回 平成のシャーロック・ホームズ、江戸川コナンに惹かれ続ける

◆コナン君とまなお君?

平成最後の劇場版「名探偵コナン」となる「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」を観賞し、ふるえる拳でこのコラムを執筆しています。「金田一少年の事件簿」から「名探偵コナン」を見る月曜日の夜は、丸々1時間ミステリーの世界に浸れる最も贅沢な過ごし方で、一番の楽しみでした。
 「犬夜叉」になり、「ブラック・ジャック」になってからも月曜の夜はテレビの前に座り続けて、私にとって江戸川コナンはとても身近でありながら憧れの存在です。誰にも話したことはないのですが子どものときはずっとコナンくんのようなちょっと子どもらしくない話しぶりで、たぶん「バーロー」とかも口にしていたと思います(「あれれ??」系は言わなかったですが)。将棋を題材にしている話があるのも好きなところのひとつでした。

◆崇め奉りたい劇場版の数々

アニメがきっかけで単行本も全巻揃えましたし、映画も大好きです。前回(リンク)「ドラえもん」映画を繰り返し繰り返し見ていた話もしましたが、コナン映画ももう何回見たのかわかりません。アニメに限らず、何百本と見たすべての映画の中でも五指に数えたいのが「瞳の中の暗殺者」。佐藤刑事が銃で撃たれ、そのショックで蘭が記憶喪失になってしまう……。非現実的にも思えるストーリーですが、仲間たちの生々しい感情の機微をみているとまるで現実のことのように思えました。いつもは笑顔の絶えないみんなが、蘭の記憶が戻るように日々努力する中で隠しきれない不安を繊細に揺らす様には、胸を鷲掴みにされてしまいます。
 事件の仕掛け、ラストスパートの演出、音楽、どれを取っても完璧で、今でも思い出したように鑑賞している心の名作です。

◆小さな探偵と心が通じた瞬間

また、最も影響を受けた作品としては「ベイカー街の亡霊」が挙げられます。いわゆるVRのような概念をいち早く物語に落とし込んだ本作では、アニメではありますし、バーチャル空間という設定ではありますが、私に生まれて初めて19世紀の霧の都・ロンドンを魅せてくれました。深い闇渦巻く街に一条の光のように輝く名探偵に、心からときめいたことを昨日のように覚えています。この映画に出会っていなかったら、初恋をシャーロック・ホームズ氏に捧げることもなければ、今なお憧れてもいなかったでしょう。ともすれば本作を通じて、シャーロキアンなコナン君と友だちになれたような気分でした。

◆何かに惹かれる人ほど人を惹きつける

魅力的なキャラクターの数々が盛り立てる「名探偵コナン」。私が好きなのは、みんながそれぞれ、好きな何かに夢中になっているところです。コナン君はホームズ「オタク」とかサッカー「バカ」とか言われるほどですし、恋愛という意味でも幼馴染、別居中の夫婦、遠距離など、さまざまな恋模様もまた描かれています。
 時にその愛を裏切られたり利用されたりするようなときは激しいドラマを感じますし、純粋な「好き」という気持ちがあふれているおかげで、自分としても素直に愛情を捧げられるのかもしれません。そして、劇場版で大きな事件に巻き込まれる中で、普段見られない一面が見られ、キャラクターの魅力がより一層引き立っていくのは、たまらないですよね。

◆平成最後の大傑作

前作「ゼロの執行人」はとにかくスケールが大きかったですが、安室さんの精神がやはり惹かれたところで、劇場にも3回ほど足を運びました。そして、最新作「紺青の拳」もまた愛と力がみなぎっています。今回の舞台であるマリーナベイサンズ、何度か行ったことがありますが、いかにも「爆発しそう」とか「折れそう」とか色々推理(妄想)が膨らむ、事件性を感じるすばらしい建物ですよね(冗談ですよ)。
 そんな素晴らしい舞台で、キッド様の華麗な活躍だったり、京極さんと園子の恋模様だったりを直線的に取り上げているだけで終わらないのがまた推せるところ。登場人物の誰かにとって本当に大切にしているものに触れられる、その瞬間の熱量の高さが存分にあふれていて、これを推さずになにを推す!! という作品に仕上がっていました。眩しくて目が潰れるかもしれないので心してご鑑賞ください。

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