2月3日に、「1st LIVE “Rainbow” at 日本武道館」を控える東山奈央。昨年2月にソロデビュー、「アニサマ2017」ステージでの武道館ファーストライブ＆アルバム発表、秋にアルバム「Rainbow」リリースと駆け抜けてきた彼女が、アーティストとして檜（ひのき）舞台に臨む。「アニサマ」で武道館ライブを発表したときの心境や、ライブへの意気込みなどを聞いた。
――ソロデビューが決まったときのお気持ちは、いかがでしたか。
東山：声優としてデビューしたときから、歌手としての活動もやってみたいなと漠然と考えていたのですが、具体的なイメージまでは思い描けていませんでした。そんななか、いろいろなお仕事のやりとりをフライングドッグさんとしているときに、「歌手活動はどうでしょう」というお話をいただいて。そこから、自分が好きな音楽や、今までのお仕事のなかで大切にしてきたことなどを話していって、「一緒にいい音楽を作っていきたいね」とお話いただいて、ご縁もあって音楽活動をはじめることになりました。なので、晴天の霹靂（へきれき）でソロデビューしたというのではなく、一歩一歩、歩みを確かめながら「よし、やるぞ」という確かな決意をもって臨むことができた気持ちです。
――昨年の「アニサマ」（「Animelo Summer Live 2017 -THE CARD-」）で2曲歌われたあと、アルバムと武道館ライブの発表をされましたが、その前に、東山さんご自身が2つの大きな発表を聞くタイミングがあったと思います。どんなお気持ちでしたか。
東山：もう一生分の盆と正月が一緒にきたというか、クリスマスもおまけにつけてドーン！ みたいな感じでした（笑）。「アニサマ」のステージで告知をしたとき、皆さんも相当驚かれたんじゃないかと思いますが、私自身、壇上で言いながら、一緒にビックリしてしまうぐらいでした。それまでも毎日、自問自答していたというか、「ほんとにやるんだよな……（少し間があって）ハッ！ やっぱり、ほんとにやるんだな」というふうに毎日ドキドキしていて、「アニサマ」で皆さんにお知らせできて、やっと少し落ち着いた感じです。
――発表まで情報を漏らしてはいけないため、ヤキモキされた部分もあったのではないかと思います。
東山：それはありました。アルバムの制作やMVの撮影など、水面下でいろいろ動いているけれど、皆さんには一切クローズドなままでしたから。今、私が何をしているのかをお伝えできないですし、「今日はいいレコーディングができた」と思っても、その新鮮な感動をツイッターなどで言うことができない。そうした悶々とした感じがありつつも、でもやっぱり、武道館でのライブに関しては、みんながどう反応してくれるんだろうと、すごくドキドキワクワクしていました。実際、発表したあとは、「おめでとう」「楽しみです」といった声をたくさんいただけて、とても励みになりました。
ブログにも書かせていただいたことですが、武道館という舞台は、自分が「立ちたい」と思って立てるステージではないと感じています。アーティストの皆さんの中には、武道館を目指して活動を続けられている方もたくさんいらっしゃるはずで、そうしたステージの重みは私も感じつつも、「自分が立ちたいから立ちます」というのではなく、やっぱり誰かが「武道館というステージに立たせてあげよう」「託してみよう」と思ってくださらないと、なかなか立てない場所なのではないか。そこに気づいてから、周囲への感謝の気持ちがより一層大きくなっていきました。今でも不安に思うことはありますが、そうした信頼に報いたいという使命感のようなものを意識しはじめてからは、前を向けるようになったなと自分では思っています。