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【前Qの「いいアニメを見にいこう」】第6回 日本の夏、美少女コメディの夏「あそびあそばせ」「邪神ちゃん」ほか

2018年の夏は、美少女コメディの夏のようである。「あそびあそばせ」「邪神ちゃんドロップキック」「Back Street Girls -ゴクドルズ-」「ちおちゃんの通学路」と、1クールに4作も、美少女キャラクターが体を張ってスラップスティックなギャグを展開する作品が集まった。アツい、アツすぎる。外の気温もアツいが、アニメの夏もアツい。

個人的に強く推すのは、前半の2本だ。まず「あそびあそばせ」は岸誠二監督久々の本格ギャグもの。そうなのだ。コミカルな演出を得意とする印象が強い監督で、近年も部分的にコメディ要素のある作品をたびたび手がけてもいたので、あまり「久々」という気がしなかったが、がっつりとギャグが主体のテレビアニメを手がけるのは実は「天体戦士サンレッド」の2期以来、ほぼ10年ぶり。おかえりなさい、という感じである。遊び人研究会を結成した3人の女子中学生のぶっとんだやりとりを、繊細なタッチの美少女モードと、いわゆる「変顔」「顔芸」モードのギャップを生かして、テンポよく描いている。今作も「天体戦士サンレッド」同様、プレスコ収録とのことで、声の芝居の奔放さはそのためか。原作の個性の一つ、かすれたような線の魅力をアニメでも拾い上げている点も見逃せない。

「邪神ちゃんドロップキック」は、これまた「こういう作品を待ってました!」という感じ。見た目はこってこてのアニメ美少女、中身はくそったれな不死身の邪神ちゃんが、いたずらをしては容赦なくミンチにされたり、輪切りにされたり、まっぷたつにされたり……嗚呼、たまらない。世界よ、これが日本のアニメだ(暴言)。「ギャラクシーエンジェル」「撲殺天使ドクロちゃん」といったタイトルにアニメ審美眼を育てられたアラフォーとしては、あらがえないものがあります。あ、推しキャラはメデューサちゃんです。素直にかわいい。

残り2本もレベルは高い。「Back Street Girls -ゴクドルズ-」は、ひょんなことから性転換をして美少女アイドルとして活動することになった極道3人組の悲喜こもごもを容赦なく笑いに持っていく。あえての省エネな作りが上手いこと本作ならではのおもしろさには昇華されているのは、まさにアニメのマジック、匠の技。今千秋監督の底力を見せられる思いだ(本人によるOPダンスも含めて)。3人組に美少女声のキャストと男声のキャストが配されている点は、一粒で二度美味しい。おっさんもかわいいのじゃ~! 「ちおちゃんの通学路」は、女子高生が行く手を阻むさまざまな困難を乗り越えて無事通学するまでをひたすら切り取り続けるシチュエーションコメディ。 映像のテンションの高さに負けじと、ほとんど一人芝居でテンション高く暴れ倒すちおちゃん役・大空直美の好演が聞きどころだ。僕が洋ゲーマーだったらもっと笑えてたのかも。

連日シャレにならない暑さで、日中ちょっとでも出歩くと疲労困憊。いつもにも増してあんまり頭を使いたくないときが多いので、今期は雪崩のごとく押し寄せるギャグにひたすら身を委ねることになりそうです、ホント。美少女もの以外にも、ギャグ作品が充実してるしね。ま、そっちの話はまた次回ということで、今回はこのへんで~。

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