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【この2.5次元がすごい】ストーリーだけでなく、キャストの想いも続いていく 舞台「K -RETURN OF KINGS-」で具現化された繋がれていく絆

多くの作品が舞台化され、原作が進むのと同じように公演を重ねていく舞台も多く登場していますが、アニメや漫画作品と違い、限られた時間や空間、そしてキャストの制約など舞台にはさまざまなハードルがあります。例えば、その公演を初めて見るという人にとって作品の世界観に入っていきやすいか、また何度も見ているファンにとっては続いていく物語に違和感なく入り込めるかどうかが大切です。現在公演中の舞台「K -RETURN OF KINGS-」では、そのどちらもうまく表現できていたように感じました。

テレビアニメ「K」は2012年に第1期がオンエアされ、映画や小説などでもストーリーを展開しながら根強いファンを持つ作品です。アニメでは描き切れていないストーリーが小説で明らかになったりと、常に驚きを与えてくれる「K」。舞台も2014年に初演を迎え、今回でシリーズ第5弾です。今作はテレビアニメ第2期にあたる「K RETURN OF KINGS」を忠実に再現し、原作に沿ったストーリーが舞台上でも繰り広げられていました。

照明や映像を駆使し、アニメの世界観を舞台上に再現

「K」は現実とは微妙に違う現代日本が舞台。異能の力を持つ7人の王と、王を取り巻く仲間たちが登場します。バトルシーンや場面の切り替えも多く、アニメや劇場版ではその映像の美しさも人気でしたね。舞台でどのように演出されるのか、しっかりとストーリーを追えるか気になっていましたが、その心配は杞憂に終わりました! 舞台「K」では定評のある照明の使い方は今回ももちろん健在。青の王は「秩序」を、赤の王は「破壊」を白銀の王は「不変」を、そして今回、赤、青、白銀が力を合わせて立ち向かう緑の王は「改変」の力を持ち、それぞれ異能力を駆使しバトルが繰り広げられます。青や赤、緑色の照明が舞台を彩り、特殊なセット抜きでもバトルの臨場感が伝わってきました。

また、今回初めて登場した緑の王はSNSをはじめとしたオンライン上でチームを組み立てていることもあり、アニメの作中でも電脳世界として描かれている場面が多くありました。今回は緑の王やその特性について舞台上でキャストがセリフの中でわかりやすく説明してくれていたため、違和感なく見ることができました。アニメの世界観を壊さず舞台ならではの演出として取り入れているのが印象的です。

キャストたちが繋ぎ、そしてこれからも続いていく、「K」の物語

2.5次元の舞台での難しさと面白さのひとつは観客がキャストを通してキャラクターの姿を見ているということではないでしょうか。そのため、キャストにはビジュアルを含めて丁寧な役作りが求められます。アニメでも激しいバトルシーンを展開しながら声を荒げることなく冷静に話すのが青の王である宗像礼司。舞台で宗像を演じる小野健斗さんも、圧倒的なセリフ量をこなしており、さすが室長! という説得力のある演技をみることができました。

さらに今回はキャストの変更も当初から注目されていました。最近では舞台化される作品も多く、長く続く作品ではキャストの変更も度々みられます。舞台「K」も例外ではなく、メインキャラクターである夜刀神狗朗役が岸本勇太さんに変更となったほか何名かのキャストの変更がありました。続いていく物語に途中から参加するというプレッシャーは想像するだけでも大きそう。キャストのみなさんもカーテンコール後でのトークで「いろいろな人が繋げてきた絆を、次に繋げられるように」と話されていましたが、「K」の世界を大事にしているということが伝わるステージで、今までのファンの人も安心して見ることができたのではないでしょうか?

「K」は王の力が次の王へと受け継がれ、時を超えて展開されるストーリーも魅力のひとつ。まるで繋がっていく絆を目撃することができたような、感慨深い気持ちにさせられました。東京公演を終えた舞台「K –RETURN OF KINGS–」が次は大阪公演でどんな絆を見せてくれるのか……楽しみですね!

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