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【まなおのアニメ感想戦!】第2回 私と映画をつなぐ弦

今お話してもあまり信じてもらえないのですが、つい先日まで映画館にほぼ縁がなかった私。どういうわけか2017年秋(風邪を引いて熱を出していたのですが)ふらふらと足を運んだ新宿バルト9で出会ったのが、「KUBO/クボ -二本の弦の秘密-」でした。  古きよき日本を舞台にした、折り紙へ命を吹き込む不思議な三味線を奏でる少年「クボ」の物語。着物、灯篭流し、落ち葉の船……アメリカ発だと忘れるほど美しい和の心と「わびさび」に溢れた情景の中、傷を負いながらもたくましく進むクボの旅路には、胸と目頭がじわじわ熱くなりました。  物語を見届けた余韻のまま、ぼんやり熱心地の中眺めていたエンドロール中……突然メイキング映像(のちに知りますが、スタジオLAIKAの作品では恒例でエンディング中に紹介されるのです)が流れてきて、一気に目が醒めました! 本編に登場した巨大ながしゃ髑髏を吊り上げる無数のワイヤー。そのとき初めて、本作品がストップモーションアニメだと知ったのです。  その後、パンフレットや公式サイトを穴があくほど読み込みました。3秒の映像を撮るのに平均1週間!? あの船の撮影だけで1年半以上!? なんて途方もない……。そうでなくても記憶に残るストーリーなのに。知れば知るほど愕然とすることばかりで、散々打ちのめされた後、風邪を治したわたしの映画館通いがはじまりました。観るたびに気づきがある、また観なくては、とするうちに、いつの間にか8回(!)も鑑賞。不器用な誘いに応じてくれた友人たちへのお礼にパンフレットを配るなんて経験も、人生で初めてのことでした。